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家づくりコラム

2024.09.07

24時間換気について【設計お役立ち情報 Vol.3】

家の中の空気は思っているより汚れています。
例えば、カビやダニのフン、家に持ち込んだものから発散される有害物質など。

 

僕たちは呼吸をすることで、実はこの目に見えない汚れを常に肺や血液に循環させているといえます。

つまり住む家の空気の清潔さは健康な暮らしをするうえでとても大切なのです。

 

 

 

 

2003年7月に建築基準法が改正され住宅の居室で24時間換気が義務化されました。

当時、「シックハウス症候群」という言葉が話題になり、

新築やリフォーム直後の家で、

目や喉が痛くなったり、頭痛やだるさを感じたりする人が増えました。

 

これらの症状の原因の一つが、

建材や家具から発生する「ホルムアルデヒド」などの有害な化学物質でした。
(ちなみにSANKOが自然素材を使用する理由のひとつです。)

 

このような健康被害に対する意識も高まり、

家に使用される建材そのものにも安全基準が設けられ、

有害物質の発散量が少ないものに置き変わったことで、

現在ではシックハウス症候群にかかる人は少なくなりました。

それでも、先述した目に見えない汚れや、人から排出される二酸化炭素によって

空気が汚れてしまうので一定の換気量(2時間に一回空気を入れ替える)が必要になります。

 

 

ただし、換気システムを付けているからといって、必ずしも換気が出来ているというわけではありません。
合わせて、高い気密性を確保する必要があります。

 

例えば、トイレの換気扇を回して室内の汚れた空気を排出し、

リビングの給気口から新鮮な外気を入れるような設計をしている場合

気密性が高いと、給気口以外に隙間が無いので、しっかりとリビングの給気口から新鮮な空気が入り、

リビング→廊下→トイレと移動しながら、最後は外に排出されます。

 

しかし、気密性が低く、隙間が多い家だったらどうでしょうか。

リビングの給気口ではなく、トイレや廊下の隙間から空気が入り、

トイレの換気扇から排出されるようになります。

そうなると、家と外を行き来する空気の量は同じだとしても、リビングの空気が入れ替わっていないことが分かります。

 

 

給気から排気まで、空気の経路を適切にコントロールできるだけの気密性能が確保すること大切ですね。

 

松村