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家づくりコラム

2024.09.08

窓の性能について【設計お役立ち情報 Vol.4】

快適な家づくりを考えるとき、

まず屋根や壁の断熱材が気になる方も多いのではないでしょうか。

でも、実は暖かさが一番逃げやすいのは「窓」なんです。

 

冬場では家全体の熱の58%が窓を通じて出入りしていて
一方で、壁や屋根を通して出入りする熱は5%〜15%程度になります。

つまり窓をグレードアップさせるだけで、

家の断熱性能は一気に向上します。

 

 

昔は、日本の家ではアルミ製のサッシに単板ガラス(1枚のガラス)が使われていました。

しかし、アルミは熱伝導率が高く、夏は熱を通しやすく、冬は冷たさを感じやすいという難点があります。

現在では、アルミと樹脂を組み合わせた「複合サッシ」や、「複層ガラス(2枚のガラス)」が主流になってきていますね。

但し、それでは窓の結露や、窓際の寒さはなくなりません。

 

 

サッシ(枠部分)の熱伝導率を見てみると

樹脂の熱伝導率が0.17W/m・Kであるのに対して
アルミの熱伝導率は238W/m・Kで約1400倍になっています。

日本では当たり前に普及しているアルミのサッシですが、これでは結露するのも当然ですよね。

 

 

また、熱貫流率(サッシとガラスを合わせた指標)で比較すると

日本でよく使用されるアルミと樹脂の複合サッシで複層ガラスの場合、
2.33W/㎡Kです。

 

世界の基準を見てみると、
ドイツ:1.3 W/㎡K
中国、アメリカ:2.0 W/㎡K
ということですので、日本の窓の断熱基準はかなり後れをとっています。

 

私が思うには、
サッシを樹脂製か木製の複合ガラス(2枚ガラス)にするようにしましょう。
そうすると熱貫流率が1.9 W/㎡Kになり、世界で一般的に建てられている住宅のレベルになります。
更にガラスをトリプルにすると、1.6 W/㎡Kとなり、高性能住宅を目指す場合はここまでしたいですね。

 

 

断熱性能を高めることで、家の快適さだけでなく、エネルギーコストにも大きく影響します。

特に、壁や屋根を断熱強化するよりも、窓を断熱強化するほうがコスト的にも安いので

これから家づくりを考えている方は、ぜひ窓選びにもこだわってみてください。

 

松村