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家づくりコラム

2024.09.15

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気密性能の目安は【設計お役立ち情報 Vol.9】

C値とは、家の隙間の大きさを表す数値で、1㎡あたりにどれだけの隙間があるかを示します。
値が0に近づくほど、隙間が少なく気密性能が高いわけですが、
実際どこまで必要なのか、求めるべき基準が分かりにくいですよね。

 

 

岡山県で建築される場合、平成11年度省エネルギー基準で定められたC値は5.0㎠/㎡ですが、
これは、120㎡の家で600㎠の隙間になります。(A4サイズ)
家全体の計画給気口の面積が、フィルター付き給気口10㎠を5ヵ所設置と仮定し50㎠だとすると、
C値5.0㎠/㎡の家では
隙間面積が600㎠に対して給気口面積が50㎠となります。

この場合、給気口からは空気が入ってこずに、

600㎡の隙間から空気が入ってきてしまいます。

これでは義務化されている24時間換気がきちんとできていませんよね。

 

 

 

 

では実際いくらを目指せばよいのか。

換気を行うためには、最低限、隙間面積を給気口面積よりも小さくしないといけないと考えます。

先ほどと同様、120㎡の家で給気口面積50㎠として計算すると

 

C値1.0㎠/㎡の場合、120㎠ > 50㎠

C値0.5㎠/㎡の場合、60㎠  > 50㎠

C値0.4㎠/㎡の場合、48㎠  < 50㎠

C値0.3㎠/㎡の場合、36㎠  < 50㎠

 

家の大きさによって若干変わりますが、
0.3㎠/㎡を目安にするのが良いと思います。
(これよりも0に近づくならそれに越したことはありません。)

 

 

そして、気密性能は劣化するということも覚えておいてください。
地震によるずれや、経年劣化によってコーキングが切れたり、

気密テープが剥がれたり、気密をとっていた断熱材が劣化したりなど、様々な原因で劣化していきます。

劣化しにくい工法で気密を取っているかも大事な部分になってきます。

 

また、気密性能は設計段階で計算できるものではなく、

実際に建築中に現場で測定しなければわかりません。
そのため、家づくりを依頼する住宅会社に、過去に建てた家のC値を聞いたり、

気密測定を行ってもらえるかどうかを確認することが大切です。

 

 

松村