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家づくりコラム

2024.10.24

木造住宅のシロアリ対策【設計お役立ち情報 Vol.31】

木造住宅の大きな弱点にシロアリによる食害があります。

日光や風に弱いため、暗く湿った場所を好み、隠れるようにして家の中に入り込むのが特徴で、少しでも隙間があれば地盤の下から建物内へ侵入します。
そして、壁体内結露などで腐った木材を食べてしまいます。
特に日本では「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」が多く、温暖な岡山でも活動が活発で注意が必要です。

 

 

シロアリの侵入を防ぐためには、まず家の構造をしっかり守る物理的な対策が必要です。
例えばベタ基礎の採用や基礎高を上げる、薬剤の使用、白アリの苦手な木材の使用する方法などがあり、これらを併用するのが望ましいです。
シロアリに強い木材で代表的なものにはヒバヒノキがあり、基礎と接合する土台にはこういった木材を使用するのが一般的ですね。

 

それに加え、防蟻防湿シートをベタ基礎の下部へ施工すること、止水プレートを基礎の打ち継ぎ部分に設置するなどしてコンクリートの隙間から白アリが入ってこないようにします。

物理的に白アリが入ってこれる隙間をなくすということです。

 

シロアリは日光が苦手なので、基礎の周りになるべく日陰を作らないことも重要です。
腐った木材などを基礎の周りに置いておくと白アリが入ってきやすくなります。
ですのでウッドデッキがある場合などでも、白アリが入ってきていないか定期的に確認する必要があります。

また、基礎内を乾燥させ、通気(風)をとるために換気システムの排気口を基礎内にも持ってくるなどして、空気を動かす工夫が必要です。

床下エアコンがある場合は夏場に送風で使用することもシロアリ対策になります。

 

薬剤を使った対策もあります。
但し、アルキルアンモニウム化合物や銅、ヒ素化合物系がよく使われていますが、人体への影響も懸念されます。

基礎断熱で床下の空気が室内に入ってくる作りの家の場合は、揮発性のものではなく、天然鉱物で揮発しないホウ酸系の防蟻剤を使用しましょう。

 

 

松村