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家づくりコラム

2024.09.09

日射対策を考える【設計お役立ち情報 Vol.5】

気が付けば9月に入り、まだまだ残暑が続いていますね。
今年の夏も暑さが厳しく、家の中ではエアコンが手放せない日々が続いています。

 

 

さて、前回は「窓の断熱性」についてお話しましたが、
今回は「日射遮蔽」について触れてみたいと思います。

 

最近、太陽の高さが徐々に下がり始め、屋根や庇を設けていても窓からの日射が増えてきます。
この日射が窓から入り込むと、特に高断熱化された住宅では

家の中が「オーバーヒート」してしまうこともあります。
ですので、日射遮蔽が非常に重要になってくるのです。

 

 

 

日射遮蔽には大きく2つの方法があります。

1. 窓の内側にカーテンやブラインドを設置する方法
2. 窓の外側に葦簀(よしず)や外付スクリーン、外付ブラインドを設置する方法

 

内側で日射を遮る方法は、実はすでに室内に熱が入り込んでいるため、効果は限定的です。
より効果的なのは、外側で日射を遮る方法です。

 

 

 

私の設計では、特に西側に景色の良い土地の場合、西向きに大きな窓を計画することがあります。
しかし、西向きの窓は日が沈む方角に位置し、太陽高度が低いため、庇や屋根だけでは日射遮蔽が難しくなります。
このような場合に「外付スクリーン」を採用しています。

 

1階の窓ならば外付スクリーンの設置は比較的簡単です。

外から手が届くため、手動で調整できるのが便利です。
一方、2階の窓ではもう少し工夫が必要です。

例えば、引違い窓を使ったり、外付ブラインドを電動にしたりと、

デザインやコスト面を考慮しつつ、日射遮蔽を計画していきます。

 

夏場の日射は過酷ですが、冬には無料の暖房となり、強い味方に変わります。

 

冬場の低い太陽高度のおかげで、南面の窓からたっぷりと日射を取り入れることができ、昼間に暖まった熱が夜間まで家の中に保たれるのです。
このため、夏の日射を遮りつつ、冬には効率的に日射を取り入れる工夫が必要です。
窓の高さの3/10程度の軒や庇を設けると、夏はしっかりと日射を遮り、冬には十分な日射を取り入れることができます。

 

 

季節に合わせて外付スクリーンやブラインドを活用し、夏は涼しく、冬は暖かい住まいを実現しましょう。
設計の段階から、こうした工夫をしっかりと取り入れることで、長く快適に暮らせる家が完成します。

 

 

松村