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2024.09.26
換気システムの選び方【設計お役立ち情報 Vol.16】
住宅で使用される換気システムには第1種換気と第3種換気がありますが、その中でもダクト式とダクトレスに分かれます。
目的の24時間換気の面からするとダクト式が良いのですが、日本で最も普及しているのはダクトレスの第3種換気システムです。
ダクトレスの第3種換気は、計画も簡単で比較的安価に導入できるため、多くの住宅で採用されています。
外の新鮮な空気を給気口から取り込み、浴室やトイレなどの換気扇を通して空気を外に排出するだけのシンプルな仕組みです。
安価でメンテナンスも簡単ですが、家全体がしっかり換気できているかどうかを確認するのが難しいという面があり、特に、気密が取れていない場合はどうしても局所的な換気になってしまいます。
対して、ダクト式の第3種換気システムというものがあります。
こちらは、気密性がしっかりと確保されている場合、各部屋から汚れた空気を強力に排出することができるので、換気の確実性が高まります。
設計段階で換気経路を計画することで、狙った場所で効率よく換気を行え、例えば、外気に面していない物置でも、ダクトを通すことで換気を行うことが可能です。
また、熱交換ができる第1種換気システムもあります。
このシステムでは、外気と室内空気を熱交換素子に通して交差させることで、熱や湿気を交換し、外に逃げる熱を最小限に抑えます。
これにより冷暖房費を削減することが出来ます。
第1種にもダクト式とダクトレスがあり、換気量の確保と温熱環境を考えれば、ダクト式第1種換気が良さそうに思いますが、デメリットもあります。
それはダクト内のメンテナンスです。
特に、給気側のダクトにカビやホコリが溜まると、室内に拡散されてしまうので、シックハウス症候群やアレルギーの原因にもなりかねません。
メーカーによりますが、月に一度程度のメンテナンスやフィルター交換を怠らないようにする必要がありますが、これが意外と負担が大きく、なかなかできない人が多いです。
換気システムを選ぶ際には、いろいろな要因を一つ一つ取捨選択して、総合的に決めていきます。
• 第1種、第3種のどちらを選ぶか
• ダクト式かダクトレス式か
• 顕熱交換型か全熱交換型か
• 各部屋の空調方式(個別エアコン、全館空調、薪ストーブなど)
• 断熱性や気密性
• 地域の気候(温暖な地域か寒冷な地域か)
さらに、導入コストやランニングコスト、そして日々のメンテナンスが自分でできるかどうかも重要なポイントです。
住宅会社によって採用している換気方式は違い、そこには必ず意図があります。
「なぜその換気システムがおすすめなのか?」についても是非聞いてみてください。
松村