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家づくりコラム

2024.09.13

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床下エアコンについて【設計お役立ち情報 Vol.7】

床下エアコンってご存じですか?

 

通常の壁に取り付けるエアコンと違って、一階の床と基礎との間に取り付けて、基礎内に向かって暖房運転します。

温かい空気が上に上がる原理を利用し、一階の床下から家全体に暖かさを届ける仕組みで

このシステムを取り入れると、冬場にエアコン一台で家全体を快適な温度にすることができます。

 

 

 

まず、床下エアコンの最大の魅力は、ヒートショックを防げることです。

 

ヒートショックとは、気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることを指します。

衣類を脱ぐ脱衣所や浴室で起きやすく、最悪の場合は急死に至り、
特にご高齢の場合、血圧を正常に保つ機能が低下するため、ヒートショックのリスクが高まるとされています。

 

通常、リビングや寝室といった部屋はエアコンやストーブで暖を取りますが、

廊下や浴室、脱衣場、トイレ等は無暖房になると思います。

これが床下エアコンの場合、基礎内を暖めることで、

部屋の間仕切り壁で空気が遮断されず、家全体の床下から温められていきます。

その結果、どこに行っても温度差が少なく、安全で快適に住むことが出来ます。

 

 

 

 

床下エアコンのシステムは、1階床のフローリングにスリット状のガラリが設けられ、

基礎内を循環している温かい空気が自然とそのガラリから出てくるように計画されています。
そして、その暖気が吹き抜けや階段を通って二階まで届き、家全体が温まるようになっています。

 

また、基礎からの熱が基礎、土台、床、壁に伝わり蓄熱されることで、室内側へじんわりと熱放射がおこります。

この熱放射を受けられるだけ家全体を温めることが重要になります。

 

もし、床下エアコンを採用しているのに寒いという場合は、

蓄熱できるだけ家全体が温められていないことが原因かもしれません。

床下エアコンの起動時には、他のエアコン(小屋裏エアコンや補助用で部屋に付けているエアコン)

も併用して、一気に家全体を温めるようにしましょう。
もしくは暖房期に入る少し前から床下エアコンを起動させて、

空気ではなく家の基礎、床、壁、天井を温めておくと良いです。

 

 

 

実際に床下エアコンの家に住むと、足元からの暖かさが感じられ、

家中どこにいても寒さを感じることがありません。
エアコンの風が直接体に当たらないため、不快感もなく、冬場の生活が非常に快適になります。

また、家の中での温度差が少ないため、ヒートショックのリスクも軽減されて、

特にお年寄りやお子様がいるご家庭では、この点も大きなメリットだと思います。

 

 

但し、そもそも高性能住宅でないとエアコン一台の能力で家全体は暖かくなりませんので、
設備投資の前に、家の断熱性気密性をしっかり高めておきたいですね。

 

 

松村