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2024.09.27
地盤改良について【設計お役立ち情報 Vol.17】
近年、地震が多いですよね。
東北や熊本、石川県能登地方での大きな地震は甚大な被害を受け、皆さんの記憶にも新しいと思います。
住宅の耐震性も言及され、耐震等級3の必要性が高まっています。
地震発生時には地下水と土が混ざり合い、泥のようになってしまう液状化現象が起こる可能性があります。
多くの建物が倒壊したのは、地震の強さだけでなく、実は地盤の弱さも影響していて、液状化現象によって、耐震性に関係なく建物が沈んだり傾いたりしてしまいます。
岡山県は比較的地震や台風の被害が少ない地域ですが、実は多くの平野部が三大河川(旭川・高梁川・吉井川)の堆積作用による泥質な軟弱地盤です。
地震や台風の被害は少ないものの、家を建てる際にはしっかりとした地盤調査をし、その結果に基づいた地盤改良が必要になります。
さて、地盤の強さは、敷地の見た目からだけでは判断することはできませんので、機械で調査する必要があります。
住宅の地盤調査ではスウェーデン式サウンディング試験という方法が一般的です。
この試験では、建物が建つ場所の四隅と中央、計5カ所で地盤の強度を調べます。
スクリュー状の鉄棒を回転させながら地中に貫入させていきます。
このとき、どれだけの力で地盤が抵抗するのかによって測定し、地盤が軟弱であれば、必要に応じて地盤改良を行います。
地盤改良には大きく分けて3種類工法があります。
費用の小さい順に表層改良、柱状改良、小口径鋼管杭となります。
・表層改良
基礎の下にある軟弱地盤全体を、セメント系固化材を使用して固める工法です。
地表から2メートルの浅い層に適用できます。
施工が簡単で、工期も短いです。
・柱状改良工法
地盤に柱状の穴を掘り、セメント系固化材と土を注入して固める工法です。
柱頭にかかる地盤反力と側面の摩擦力によって建物を支えます。
軟弱地盤が2~8メートルの地盤で採用され、木造住宅では最も一般的な改良工法です。
・小口径鋼管杭工法
軟弱地盤が8メートルを超える地盤で採用されます
小口径の鋼管杭を地盤の支持層まで打ち込みます。
支持層の反力によって建物を支えるため、支持層がないと施工できません。
3階建てや、鉄骨造などの重たい建物にも対応できます。
地盤調査による解析とその土地の地形や性質(土地自体が田んぼを造成した土地や、元々建物があってその荷重で地盤が締め固められていた場合など様々なケースがある)で最適な工法が決められます。
家を耐震等級の計算は、固い地盤に建てられているという前提で計算されています。
家自体は問題なくても、地盤が傾いたら元も子もないですよね。
家づくりには土地代金、建物代金、銀行諸経費や登記費用など、さまざまな費用がかかりますが、その資金計画の中に、地盤改良費がかかることも想定しておきましょう。
松村