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家づくりコラム

2024.09.06

充填断熱と外張り断熱の違い【設計お役立ち情報 Vol.2】

今回は、「熱橋(ヒートブリッジ)」に焦点を当てて、断熱工法の違いによる影響について考えてみます。

木造住宅の断熱工法には大きく分けて「充填断熱」と「外張り断熱」の2種類があります。

 

 

 

充填断熱は、柱や梁などの構造材の間に断熱材を詰め込む方法です。
一般的にはグラスウールがよく使用されます。

この断熱工法では、柱の太さ分(105mm角、120mm角)

しっかりと断熱材の厚みを確保することができます。

 

しかし、柱や梁の部分は断熱されていないため、そこが「熱橋」となります。

熱橋とは、熱が伝わりやすい部分であり、断熱効果が損なわれやすい部分を指しています。
具体的には、木造住宅の場合、外壁全体の約20%がこの非断熱部分にあたります。

例えば、32坪の総二階建て住宅の場合を考えてみると、

外皮面積は約175㎡で、その20%に相当する約35㎡が断熱材の入っていない部分になります。

この35㎡というのは、6m角の正方形に相当する大きさですが、
想像してみると、意外に大きいですよね。

 

 

 

一方、外張り断熱は建物全体の外側に断熱材を貼り付ける工法です。
フェノールフォームやポリウレタンフォームといったボード状の断熱材を使用し、

柱や梁の外側を覆う形で施工します。

これにより、熱橋となる部分を工法上なくせることが大きな特徴です。

 

ただし、断熱材が外側に貼り付けられるため、その重さや固定するビスの長さを考慮しないといけませんので、

断熱材の厚みが充填断熱で使用するよりも薄くなります。

(ただし、同じ厚みで断熱性能を評価した場合は外張り断熱で使用する断熱材の方が優れています。)

 

 

 

「熱橋(ヒートブリッジ)」は快適性やエネルギー効率に大きく影響しますが、

気密性を高めることで、熱や空気の移動が少なくなり、その影響を減らせますので

断熱と気密はセットで考えましょう。

 

 

松村